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宇宙論について考える-宇宙に終焉はあるのか? (1) [宇宙のロマン]

膨張し続ける宇宙ー 宇宙に終焉はあるのか

今回は、人類誕生以来の哲学的、物理学的、天文学的テーマに挑むことにしました。

タイトルは『宇宙論について考える』。

サブタイトルは『宇宙に終焉はあるのか?』です。

(少々大げさなタイトルですね...)

科学や物理・天文学に少々関心のある方なら、2011年にもっとも話題になったのは、私たちの太陽系がある天の川銀河や下の写真のUFO型銀河を始めとする無数に近い銀河が属する宇宙について、2011年の11月にサウル・パールマター(Saul Perlmutter)、ブライアン・シュミット(Brian P. Schmidt)、そしてアダム・リース(Adam G. Riess)の3博士が、””宇宙の膨張は加速し続けている”ということを科学的に実証し、その功績に対してノーベル宇宙物理学賞を授賞されたことではないでしょうか。
 

地球から1600万光年の距離にあるUFO型のNGC2683銀座(Credit: ESA/Hubble & Nasa)
1788年に発見されたNGC 2683銀座は、側面を観測できる「エッジオン銀河」であり、天の川銀河に似た構造を持っている。ハッブル宇宙望遠鏡は、コアの明るい光を受けた腕部分の微細構造をとらえている。

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この膨張加速の実証は、天文学や宇宙物理学に携わっている研究者の間では、”当然”ともいえる結果であったかも知れませんが、天文学シロウトである私にとってはかなり衝撃的な事でした。
そもそも、この宇宙にあるものはガモフの宇宙論あたりから始まって、

恒星の形成 超新星爆発 (恒星ガスによる)恒星の形成 超新星爆発

というプロセスを現在まで三度ほど繰り返して、宇宙に存在する原子のほぼ全てが作られたというもので、今後も同じようなプロセスがくり返され続けるー また宇宙もサイクリック宇宙的に、ある程度まで膨張したらストップし、縮小をはじめいつか一点に凝縮してしまう(ビッグ・クランチ)ー というのが理想的だと思っていたのですが、今回、パールマター、シュミット、リースの3科学者によって”宇宙の膨張は加速し続けている”ことが証明されたことによって、宇宙の将来はまったく暗いものとなってしまったのです。

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ここで、イントロダクション的に、私なりに ”どのようにして「宇宙の膨張が加速」していることが証明されたのか” について記述してみたいと思います。最初にも書いたように私は天文学&天文物理学にはまるっきりのシロウトですので、言葉が足りないところ、もしくは勘違いしているところもあるかも知れないことを前もって断っておきます。

 

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 Ia型超新星


Ia型超新星(Type Ia supernova)Ia型超新星は、近年、宇宙物理学においてたいへん重要な天体となりました。
超新星とは、周知のとおり、大質量の恒星の寿命が尽きた時に大規模な爆発のことで、記録ではすでに2世紀に中国において記録されており、ティコ・ブラーエやかの有名なヨハネス・ケプラーも観測記録を残しています。超新星が大きな注目を浴びるようになったのは19世紀なってからですが、「超新星」という名前はラテン語の「nova=新星」に由来します。古代ヨーロッパ人は、夜空に明るい星が突如輝き出すのを見て、新しい星が生まれたと信じて名付けたものですが、実は星の終わりだったというわけです。


ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラー

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 先にも述べたように、宇宙に存在する酸素より重い元素、特に鉄のほとんどはこの超新星爆発時に作られます。 超新星は、そのスペクトルに水素の吸収線が見られないI型と、水素の吸収線が見られるII型とに分類され、さらにI型は.Ia型(ドットいちエーがた)、Ia型、Ib型、Ic型に分けられ、II型はIIP型 (P: Plateau)とIIL型 (L: Linear) に分けられます。 
これらの中で、特に注目されているのがIa型超新星です。通常、太陽の質量の8倍以下の恒星は、寿命を迎えると収縮をしますが、重力が小さいために鉄の原子(Fe)の核ができるまでには反応は進みません。したがって超新星爆発を起こさずにその寿命を終えた形になり、後に残った中心部は、白色矮星になってしばらく光り続けます。
これらの白色矮星の中には、連星系を形成しているものがあり、白色矮星の方の重力が強いため、伴星の恒星から炭素と酸素に富んだガスが白色矮星に取り込まれ、次第に白色矮星が重くなっていきます。そして、質量の増加による圧力と密度の増加が核の温度を上昇させ、チャンドラセカール限界限界まであと約1%になると対流が生じ、その状態が先年間ほど続くと見られています。

白色矮星に伴星のガスが取り込まれる様子
Supernova_Companion_Star.jpg

 

この比較的安定な状態の後、炭素燃焼過程のエネルギーによる爆発前面が発生します。その直後に酸素燃焼過程も開始しますが、酸素は炭素ほど完全には消費されません。
核融合が始まると、白色矮星の温度は上昇し始め、熱圧力によって支えられている主系列星は拡張し、熱エネルギーの増加と釣り合って温度が冷えます。しかし、収縮圧力は温度に依存しないため、白色矮星は燃焼過程を制御することができず、暴走核融合反応が発生し、この熱核燃焼からのエネルギーの放出(1-2×1044J)は、恒星の重力結合エネルギーよりも大きいため、白色矮星を構成する個々の粒子は、飛散するのに十分な運動エネルギーを得、恒星は激しく爆発し、衝撃波を放出、恒星の構成物質は、光速の約6パーセント、秒速5千キロ~2万キロという超高速で弾き飛ばされます。爆発で放出されるエネルギーも光度の急激な増大の原因となります。典型的なIa型超新星の絶対等級は、太陽光度の約50億倍(Mv=-19.3)であり、誤差はほとんどありません。

 

カシオペア座の「SN1572超新星」残骸のX線/赤外線画像。Ia型超新星の観測例
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超新星の画像 Credit: NASA/Swift/S.Immler
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Ia型超新星の爆発ピーク時の明るさが均一という特徴(標準光源と呼ぶ)のため、その明るさを測定することで超新星爆発の起こった銀河までの距離を測定するための基準として使えます。 
この測定のベースとなるのはハッブルの法則で、これは”天体の後退速度と天体までの距離は正比例するという法則”ですが、これを用いIa型超新星の赤方偏移を測定して後退速度を求め、Ia型超新星までの距離を測ります。もう少し解りやすく説明すると、地球から最も離れた超新星の爆発光は、宇宙の膨張によって引き伸ばされるために赤く見える(赤方偏移)ということで、この赤方偏移が強ければ強いほど、爆発光は長い時間と距離を旅してきたことになるわけです。

ハッブル望遠鏡によるIa型超新星の赤色偏移

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しかし、銀河系の明るさを凌ぐといわれるIa型超新星を無限にもひとしい広大宇宙空間の中で、それも同じく無限に近いような星たちが輝く中から探知するのは並大抵ではありません。
現在、超新星を焦点的に捜索しているチームがいくつかあり、その代表的なチームとしては、最初に述べた、ノーベル物理学賞を授賞したパールマター博士をリーダーとするカリフォルニア大学ローレンス・バークレー研究所の「超新星宇宙論計画」(Supernova Cosmology Project)チーム、そして同じく同賞を授賞したシュミット博士に率いられる、オーストラリアのストロムロ山・サイディングスプリング天文台の「ハイゼッド超新星捜索」チーム(High-Z Supernova Search Team)があげられます。
両チームとも1a型超新星を標準光源として宇宙の膨張速度を測り始めました。 ちなみに、超新星は一つの銀河で100万年に数回しか発生しないものなのですが、パールマター博士のチームは、電荷結合素子(CCD)を備えた4メートル級望遠鏡で数千の銀河を監視し、1a型超新星が出現するたびに世界各地の観測施設に連絡する、といった手法で探していました。 

 

「超新星宇宙論計画」で超新星発見に威力を発揮したハッブル望遠鏡

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ハッブル望遠鏡が1997年にとらえたSN1997ff超新星(Credit:NASA/ESA)

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ハッブル望遠鏡の発見結果を追跡観測したカナダ・フランス.ハワイ天体望遠鏡群
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超新星宇宙論計画とハイゼット超新星捜索チームという2つのチームによって、1a型超新星発見レースが始まり、1998年から1999年にかけて100億光年のかなたにある50個以上の1a型超新星の地球からの距離と、遠ざかる速度が観測されました。そして、その観測結果は驚愕するものでした。なぜなら、それまで天文学者や天文物理学者たちは、宇宙が膨張しているということは解っていたのですが、宇宙にある物質や謎の暗黒物質(重力を及ぼす正体不明の存在。ダークマターと呼ばれる)による重力のため、膨張は次第に減速するはずだと考えていたからです。
しかし、実際には減速するどころか、逆に膨張は加速度を増しつつあることが判明したからです。これは、宇宙に存在する物質と謎の暗黒物質(ダークマター)を合わせた重力を打ち負かすほどの斥力が宇宙全体に存在することを意味するかも知れないからです。

 

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宇宙論の歴史

 さて、宇宙膨張加速論の話しが面白くなってきたところで、さらに話を興味深くするために宇宙論の変遷を見たいと思います。
古代インドではヴェーダ(B.C 100年~B.C 500年)において、「無からの発生」や「原人による創造」といった宇宙創生論が見られ、後には「繰り返し生成・消滅している宇宙」という考え方に変転していったようです。
ちなみに、釈迦(B.C463~B.C383)によって広められた仏教では、生老病死という生命観を生物非生物に関わらず当てはめ、それには惑星や恒星などの天体もその生死のサイクルの範疇にあり、宇宙もその例外ではないとしています(繰り返し生成消滅する宇宙)。
また、これは後ほどで述べますが、仏教の視点から見た極めて興味深い世界(宇宙)観もあります。

 

古代インドの世界観

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古代エジプトの世界観

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古代ギリシャにおいては、紀元前4世紀ころまでは、宇宙の中心は不動の地球であり、その周りを太陽、月、惑星、恒星が周回していると考えられていました。
紀元前500年ごろ、フィロラオス(BC470年頃~BC385年))は地球や太陽を含むすべての天体が目に見えない宇宙の中心の火の回りを回転していると考えました。ただし、フィロラオスの説は観測データに基づくものではなかったため、根拠がないと考えられ、これを受け継ぐ学説は生まれませんでした。
一方、ヘラクレイデス(BC387年~BC312年)は、金星と水星の位置が太陽から一定角度以上離れないことを根拠として、水星と金星が太陽の周りを回っていると考えました。これによって、これら惑星の不規則な動きを説明できるとしたのです。しかし、ヘラクレイデス自身は地球が不動ということについては疑問をもちませんでしたが、初めて合理的な天体の運動体系を作り上げたのです。

ギリシアの詩人ヘシオドス(BC700年)の『神統記』には「まず最初にchaos カオスが生じた」とあります。 古代ギリシャ語においてのChaosの原意は「chaos」は《大きく開いた口》を意味します。宇宙のすべてはそのchaosから生成したとしたのです。そしてそカオスはまた暗闇を生んだともされていました。
ピタゴラス学派の人々は宇宙をコスモスと呼びました。これは、当時ギリシャでは「kosmosコスモス」という言葉は、調和がとれていたり秩序がある状態を表現する言葉であったことから来ています。ピタゴラス学派の人々は、数学・音楽・哲学を信仰しており、宇宙に存在するすべてがハルモニア(調和)やシンメトリア(対称性)といった数的で美的な秩序を根源としていると考え、この世界はコスモスだと考えたのです。
このように見なすことにより同学派の人々は、一見すると不規則な点も多い天文現象の背後にひそむ数的な秩序を説明することを追及しました。プロラオスやエウドクソスらによる宇宙論はその延長上にあることになります。

ペトルス・アピアヌスによって描かれた“Cosmographia”
エウドクソスやアリストテレスなどが唱えた宇宙観はこのようなものだった

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エウドクソスは、地球が宇宙の中心にあり、天体はそのまわりを回っているとする、地球中心説、天動説を唱えました。エウドクソスは、27の層からなる天球が地を囲んでいると想定しました。 同じ古代ギリシャのカリポス(紀元前370-300)は、エウドクソスのモデルでは惑星の動きを説明するには不十分であるとし、天球の層をふやし34にしました。

アリストテレス(紀元前384-322年)は、エウドクソスおよびカリポスの説をベースとし、発展させました。 アリストテレスの説は、地球が世界の中心にあり、天球がそれを囲んでいるとしました。ただし、エウドクソスやカリポスは天球が互いに独立していると考えていたのに対し、アリストテレスはそれぞれの天球同士で連携があるシステムとし、天球の総数は48~56としました。また、各層は、それぞれ固有の神、自らは動かず他の天球を動かす神によって動かされていると考えました。そして世界は四元素で構成されているとし、他方、天球は四元素(空気・火・土・水の4つ)以外の第五番目の不変の元素、エーテルを含んでいるとし、天球の世界は永遠に不変であると考えたのです。

ところで、「宇宙論の歴史」をここまで読まれた方は、私が”地球”と書いて来たことにお気づきですか? 通常、古代から中世、 つまりフェルディナンド・マゼランホアン・セバスティアン・エルカーノによる地球一周航海(1522年)によって実際に地球は丸いということが証明されるまでは、地球は平坦であると考えられていた、と思われがちですが、実際には、すでに紀元前6世紀にはギリシアで地球は丸いという哲学的概念があったのです。この概念は、紀元前3世紀にはヘレニズムの天文学(エラトステネスによる地球の大きさ測定等)により、地球が球状であるということが信じられるようになりました。 ヘレニズムの考えは次第に、古代末期と中世を通じ、次第に旧世界でも採用されるようになったのです。

 

エラトステネスによる地球の大きさ測定
 
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紀元2世紀にエジプトのアレクサンドリアで活躍したローマ人の天文学者(数学者、地理学者でもあった)プトレマイオスは、その著書『アルマゲスト』で、天球における太陽、月、惑星などの天体の軌道の計算法を整理しました。そして後の『惑星仮説』においては、同心天球的な世界観、つまり地球が世界の中心にあるとし、その周りを月、水星、金星、太陽、火星、木星、土星が回っているとしました。

プトレマイオスと著書『アルマゲスト』

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プトレマイオスの天動説図

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イスラーム天文学の発展と宇宙論

ローマ帝国の滅亡後、ヨーロッパではアリストテレスの自然観がキリスト教の教義と結びついたことから、自然界を実証主義的に観察(および計算)し、解釈するという古代ギリシャの自然哲学に代表される自然観はキリスト教によって否定されました。これによって天文学も停滞し、暗黒時代を迎えることになるわけですが、それに代わってアラビア天文学が発達することになります。

ヨーロッパの中世時代における、イスラム世界の哲学、天文学をふくむ、諸科学の発展の歴史について見てみると、一般的にイスラム科学(天文学)、またはアラビア天文と呼称されているものは、イスラム帝国が形成され、アラビア語が学問の言語として広い地域で使われるようになる以前の、エジプト、メソポタミアといった古代オリエントの文化や古代のギリシャ、ペルシア、インド、中国などで発展していた科学をもとに発展したものです。

中世ヨーロッパのスコラ学に多大な影響を与えたイブン・スィーナ

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  もともと、イスラム世界には、法学・神学・語学・文学などのアラブ文化圏固有の学問がありましたが、これに上述のように異文化圏から哲学、論理学、幾何学、天文学、医学などが「外来の学問」としてイスラム世界伝えられましたが、外来の学問であっても正しい知識を求めることはムハンマドの教え(ハディースのこと)から見ても神の意思を知るためにはまったく問題ない、イスラムに相応しい行為とされていたことから、「固有の学問」を研究する学者が「外来の学問」を研究しても問題はないとされました。

このイスラムの寛容性は、他の宗教や自らの教義に相応しくない学説や観察・研究結果などをまったく認めないという排他的な体質をもっていたキリスト教と比べるとたいへん興味深いものです。
偏狭的に自分の考えに執着するものは、古今を問わず、進歩・発展の芽を自ら摘みとっているというのは歴史が明らかに示しているところです。
ギリシャの科学は中世ヨーロッパでは採用されませんでしたが,シリアやペルシャでは価値があたえられ、同地域を征服したアラブ人たちに継承されました。アラブ人たちは科学の原典をギリシャに求め、発展させ,近世ヨーロッパに伝えるという重要な貢献をしたのです。

 

アラブ人が発明したと言われているアストロラーベ
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  中世時代、アラビアでは各地に天文台が建てられ、観測が行われました。8世紀後半にはアル=ファザーリーはインド天文学書をアラビア語に翻訳。9世紀にはギリシャ語の翻訳がなされ、10世紀にはアル=バッターニはプトレマイオスの天文学書を完全に理解し、翻訳しました。
そして、この頃からアラブ人学者たちの天文知識は、プトレマイオスの知識を上回るようになり、観測から黄道傾斜角、遠地点の位置、太陽の離心率、歳差の値等の天文表の数値を改良しました。
イブン=スィーナー(980年-1037年)は、はアリストテレスおよびプトレマイオスの宇宙論、それにネオプラトニズムをミックスした説を唱えました。スィーナーは、地球を中心とした9の天球が同心円的構造を構成しているとし、一番外側に「諸天の天」、その内側に「獣帯天の天球」、土星天、木星天、火星天、太陽天、金星天、水星天、月天、そしてその内側に月下界(地球)がある、としました。「諸天の天」から月天までの9天は全て第五元素であるエーテルから構成されており不変であり、それに対して月下界は四元素の結合・分解によって生成消滅を繰り返しているとしました。
紀元1000年頃には三角関数の研究が行われ、三角関数表が作られました。また14世紀にはイブン・アル=シャーティルが全ての惑星の運動を合理的に説明するために、惑星の動きを完全な等速運動をする円の組合せ(周転円)で表現しました。 

 コペルニクスのモデルと非常によく似ているシャーティルの周転円モデル


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  アル=フワーリズミー(9世紀)は、インドの天文学や数学を取り入れた「フワーリズミー天文表」を執筆しました。フワーリズミーの研究は多岐に渡り、天文学だけでなく地理学や数学にも大きな業績を残し、天文学の分野では地球の円周の計算などの業績を残しました。現在でも使われている「アルゴリズム」という言葉は彼の名前から由来していると言われています。

10世紀から11世紀にかけては、アッバース朝の衰退とは逆に、アラビア科学は空前の発展を遂げます。この時期に活躍した天文学者の一人がメソポタミアのアル=バッターニーラッカにアストロラビウム(アストロラーベ)、グノーモン(日時計)、渾天儀、直径5mの高度測定器をそなえる私立天文台を設置して、41年間にわたって球面三角法を用いた正確な観測を行い、489個の星の恒星表を作っています。また、観測から黄道傾斜角や太陽の遠地点の位置が移動することを発見し、黄道傾斜角を割り出しています。


エウドクソスからコペルニクスに至る宇宙モデル

 


ほかにも、太陽の離心率、毎年の春分点の歳差の55"の値、太陽と月の運動の詳しい表、月の平均運動を改訂したり、太陽と月の大きさの変化を調べてプトレマイオスの業績を改良し、金環食の可能性を論じるなど、プトレマイオス天文学を継承発展させました。現在知られている恒星の固有名の大部分がアラビア語に由来しているのは、この時代、つまり9世紀から11世紀にかけてのイスラーム天文学の目覚しい発展によるところが大きいのです。

<続く>






資料参考サイト:

古代の天文学
                    
Supernova Cosmology Project Official Site
                   
宇宙を満たすダークエネルギー(Nikonチャンネル)
                   
2011年ノーベル物理学賞!宇宙は加速膨張している!(未来館のひと)
                  
宇宙論的問題
                  
間違いだらけの宇宙論
                   宇宙原理について
                  
アラビア語起源の星の固有名詞
カナダ・フランス・ハワイ天体望遠鏡



 


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天体観測のために

         



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コメント 4

さきしなのてるりん

コリャまた雰囲気が全く違って、知性の塊のような学校の教科書みたいな内容で、しっかり読みなおさないと。1時間授業+、補習になりそう。
by さきしなのてるりん (2012-05-22 21:37) 

Loby-M

>さきしのてるりんさん、ご訪問有難うございます。
 少々難しすぎるような内容の話しで申し訳ありません^^;
 でも、ほかにも気楽に読める記事もありますので、
 よろしかったらそちらの方も読んでくださいね。

by Loby-M (2012-05-22 22:58) 

なん太郎

いやはやビックラこきました。目が点になりましたよ。
Lobyさん、こんな世界を今まで黙っているなんて人が悪い(笑)。
サイドバーのお知らせに全然気づきませんでした。
これから、勉強させて頂きます!

でも、実は今わたしの関心は、こちらの宇宙よりもミクロコスモス
の方に向いているんです。体のコスモスと微生物など極小の世界
ですね。顕微鏡買いたいなあと、昨日もガラス越しに眺めていまし
た。^^
by なん太郎 (2012-05-27 10:57) 

Loby-M

>なん太郎さん、ご訪問有難うございます。
 ほんの趣味で書いているブログですので、本家ブログのように
 更新も頻繁ではありません^^;

 ミクロコスモスの世界も興味深いですね。
 うちの息子もそういった方の世界、とくに生物学に関心を
 もっているようです。
 今後はこちらも宜しくです^^

by Loby-M (2012-05-29 04:10) 

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